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自己満足の世界をぬけて

直方に行くと福智山というお山があります。
昔、英彦山修験が修行をしていたお山です。
山頂のすぐ下にタヌキ水という水場がありおいしい湧水が飲めます。
そこには小さな山小屋があって万が一の時の避難小屋になっています。
この避難小屋のお話もあるのですが、それはまた別の機会に。
ここで出会った今は亡き一人の山男
この禿山を緑に!小動物が集う豊かな森に!と
コツコツと長い年月かかって1人でごみ集めをし、
灰をまき、土壌改良に努めたひと。

どこから見上げても禿山だった福智山は
いま緑の美しい山になっています。

まだ森には遠いけれど、
このまま年月が経てば、きっと時が森に変えてくれるでしょう

それに比べて
平成3年に台風19号で壊滅的な被害を受けた英彦山の千本杉
この復興に杉の苗木千本を植えた私たち。
なぁんにも考えてなかったですねぇ。
ただ杉を千本植えれば良いと思っていました。
なぜ台風で千本杉が壊滅的な被害にあったのか?
なんて、何にも考えてなかった。
先人が植えた千本杉のうっそうとした山道が
夏の暑い日差しを遮り
すがすがしい登山道だったところが、
それが無くなった。
見渡す限りの杉の倒木
荒れ放題の痛々しい山肌
ただ、ただ、植えればいいと思っていました。
忙しい現代。
よく思考する間もなく、
ワイワイと賛同する人をかき集め
苗木を調達し、ワイワイとみんなで適当に植えてしまったあの頃。
若かったなぁ!(^_-)-☆
そして、そうできたことに誇りを持っていたあのころ。
本当に若かった!
黙ってなすがままに植えさせてくれた英彦山に
今はただただ感謝し、己の未熟さを、浅はかさを、詫びるしかない

これからの未来を思えば
杉でなく、雑木が良かったのではないか?

そう思えてなりません。
人はみなそうやって失敗を繰り返しながらも生かされているのですね。
ただ真面目に正しく生きることが立派なことではないと思えるようになりました。
自己満足の世界をぬけて土と風と水と~自然と繋がって生かされる日々
そんな時を過ごさせてもらいたいと思う今日この頃です。



| 16:33 | 未分類
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